器具・器材・リネン類の洗浄・消毒・滅菌
- 吐物を拭き取った後、ハイター原液(次亜塩素酸ナトリウム 5〜6%)で消毒すると、塩素発生のリスクはどの程度でしょうか。
0.1〜1%の医療用次亜塩素酸ナトリウムを用いるのが、一番いいと思いますが、職員の数が少ないので、できれば原液で使用したい。
- 1%以上の濃度では器材によっては化学的な損傷(プラスチックやゴムの劣化、毛・絹・ナイロン・ポリウレタンなどの漂白や色落ち、金属の腐食)もあり、また、皮膚・粘膜(結膜・口腔・鼻腔)への刺激作用もあり高濃度(1%以上〜原液)の使用はさけるべきです。
また、酸性になると塩素ガス(Cl2 (シーエルツー) )を発生します。例えば胃液は酸性(塩酸)ですのでHOCl (エイチオーシーエル) + HCl (エイチシーエル) → H2O (エイチツーオー) + Cl2 (シーエルツー)というように、塩素ガスが発生しますので、吐物の処理の際には、ペーパータオルなどで食物残渣や胃液をふき取ったあと、床や絨毯の消毒のために希釈したハイターを使用すればよいと思います。有機物があっても効果は減弱しますので明確な残渣はないほうがよいです。