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感染対策Q&A

器具・器材・リネン類の洗浄・消毒・滅菌

Q
当施設では1年位前までは、清拭タオルがあり、使用後は下洗い→クレゾール溶液に1時間以上浸漬→洗濯洗剤で洗う→清拭車で保温のサイクルをとっていました。しかし、「使い回し」は止めることなり、現在は地域の人々から寄付していただいた下着、タオルなどをカットして清拭に用いています。清拭車の使用も止め、清拭布は1回使用で捨てていますが、今後の供給量が見込めないことから「使い回し」の対策について、ご指導ください。
清拭布の使い回しを止め、トイレ介助、おむつ交換後はアルコールで手指消毒し、ケア終了後は石鹸で手洗いし、更に電解水で手洗いをしています。
効率性よく業務を行うための、改善策をご指導ください。
ご質問の一般的なリネン類の消毒について回答します。
一般に患者が使用した汚れたリネンには、非常に多くの病原微生物がみられます。しかし、実際に感染源となる危険性は極めて少ないため、一般的な衛生的処理、つまり洗剤と温水による洗濯と、乾燥で十分であると言われています。
リネンの消毒で最も適した方法は温水による洗濯です。日本においてはリネンの熱水消毒の基本条件として80℃ 10分 が勧告されています。CDCは71℃ 25分 が勧告され、英国においては65℃ 10分 または 71℃ 3分 が勧告されています。しかし、熱水による洗濯ができる施設ばかりではなく、薬液により対応している施設が多いと思います。
以前は貴施設のようにクレゾール液を、手指(健康な)、医療器具、病室などの消毒薬として使用していました。しかし、特有の強い臭いと取り扱いの困難さから、多くの医療機関での使用は減少しています。変わって、抗菌スペクトルが広く,、かつ低残留性である次亜塩素酸ナトリウムが推奨されています。洗濯のすすぎ段階で、 0.01〜0.02%の次亜塩素酸ナトリウム液に5分間浸漬を行えば、 洗濯機内も同時に消毒できます。そして仕上げに、 大型プレスまたは手動型のアイロンを使えば、ほとんどの微生物を死滅させることができます。
貴施設において、汚れが付着している可能性のある状態での消毒薬の使用による洗濯方法と、クレゾール薬の使用について検討されることをおすすめします。
また、手指衛生についてですが、ケア後の手洗いで「更に電解水で手洗い」とありますが、なぜ電解水を追加しているのでしょうか?
手指衛生は、石鹸と流水、あるいはアルコール製剤を使用して、必要な時に正しい方法で行うことが大切であると考えます。

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