インフルエンザ
- インフルエンザワクチンには、感染を抑える力はなく重症化を防ぐことが目的だといわれており、体力低下している高齢者が接種する必要性は理解できるが、重症化するリスクの低い若者は、副作用のリスクを抱えてまでワクチン接種する必要があるか?「インフルエンザワクチンを打ってはいけない」という書籍が出版されているが、どこまで・何を信じればよいか?
- 医療従事者がインフルエンザワクチンを接種する理由は、医療者が感染し、高齢者や免疫不全患者にうつさないようにするためです。患者さんたちは、インフルエンザに罹患して重症化したり致命的になるかもしれないからです。医療者が罹患して施設内でインフルエンザが蔓延するというようなことがにようにします。施設全体の機能を維持すること重要なっ目的です。予防接種について、予防接種実施規則において「予防接種を受けることが適当でない者」が明記され、「インフルエンザ予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者」と定義されています。非常にまれな過敏反応が起こるかもしれません。
医療者がワクチン接種をしている施設の患者さんでは、医療者がワクチンを受けていない施設の患者さんより、インフルエンザ死亡率が低いことが報告されているます。患者さんのワクチン接種率そのもには、関係がないということでした。推測ですが、ウイルス運搬人として患者さんから患者さんに、医療者が知らず知らずのあいだに伝播させているということでしょう。医療者個人個人の注意ということだけでは患者さんに伝播してしまうこと(不顕性感染)を防ぎきれないと考えて、医療者にワクチン接種を推奨しているのです。
インフルエンザワクチンに反対の立場の人がいること、インフルエンザワクチンの有効性が疑問であるということは、昔からよく言われていますが、集団の利益という立場で考えると、個人の利益の話とはかみ合わない話になるのではないでしょうか。