MRSA・緑膿菌
- 療養病棟と一般病棟を併設する病院で、C型肝炎、B型肝炎MRSA、緑膿菌等の感染症と褥瘡のある患者の入浴ではどのような順番が良いのでしょうか?療養病棟では、同じストレッチャーを一人ずつ洗浄しながら使用しています。
- 入浴介助では、1浴槽の汚染、2湯の汚染、3入浴用器具用具の汚染、4介助者による交叉感染が考えられます。ストレッチャー入浴の場合では、寝たきりなどの高齢者であることを考慮すると清掃や洗浄を行うことで汚染レベルを低くして感染のリスクを予防することが重要です。
ご質問のC型肝炎、B型肝炎、MRSA・緑膿菌等の感染者、褥瘡患者の入浴の順番ですが、通常では、入浴による感染の可能性はありませんのでC型肝炎・B型肝炎・MRSAと緑膿菌の保菌者の入浴の順番については一般的には特別な配慮は必要ないと言われています。(耐性菌の保有者は最後にするという専門家もいます)。一方、熱傷や褥瘡など正常な皮膚組織が破綻した患者では、MRSAなどの有害な微生物に感染或いは保菌していることが多く、こうした患者の使用後の浴槽からは洗浄後であっても高頻度かつ高濃度にMRSAが検出されたという報告がありますので、最後の入浴をお薦めします。褥瘡がある場合は創面を十分に洗うか創面を粘着性防水フィルムで被覆してから入浴するか、シャワー浴も考慮すべきです。
次に浴槽の清掃についてですが、病院協会からの以前の回答にもありますが、浴槽は洗剤で洗浄を行います。浴槽の消毒に関するエビデンスは少なく、根拠は十分ではありませんが、使用ごとに次に使用する患者の入浴前に排水して洗浄剤で丁寧に洗浄してできるだけ熱めの湯で洗い流した後、お湯を入れ替えて使用することをお薦めします。