疥癬・白癬 他皮膚科領域の感染対策
- @:疥癬患者に関わった職員が、発疹等の症状が出たとき、業務はどの程度まで制限
されるか教えてください。
A:もし、業務が出来るとしたら、患者さんに接する業務は控えたほうが良いのでしょうか。
- @:とりあえず、慌てないようにしましょう。
まずは、「疥癬患者」とされている方が本当に疥癬であるのかどうか、疥癬で
あったとすれば、通常の疥癬なのか、角化型疥癬なのかを皮膚科の医師に
判断してもらってください。これらによって、対策は随分変わってまいります。
また、集団発生の場合は通常の疥癬ではなく、角化型疥癬の方が発端者と
なっていることがほとんどですので、施設内でそうした患者さんの見落としが
ないかどうかをチェックすべきかと思います。また、患者さんが実際に疥癬で
ある場合で、職員に発疹等の症状が出た場合も、疥癬と決めつけないで
まずは感染の有無について、きちんと専門医に判断していただいてください。
また、症状が無くても患者さんと濃厚な接触があった方もチェックしていただくと
良いでしょう。
職員の就業制限、業務制限については、疥癬に曝露してしまった職員でも、
症状がなければ今までどおり就業しても構いません。疥癬を発症した場合は、
皮膚科Drに診てもらって疥癬虫がいないことを確認してから就業することが望
ましいのですが、実際には、治療開始後24時間経過していれば病棟業務を
行ってよいことが殆どです。
A:通常の疥癬であれば感染力は極めて低いのですので、罹患した疥癬が通常の
疥癬であって適正な治療が開始されて24時間経過していれば業務の制限は
必要ないと思います。例えば、罹患された方が業務上施設の入所者との長時間
の物理的な接触(体位交換その他)をするような場合は、袖の長い衣服をして行
う(直接の皮膚同士の接触を避ける意味です)、手袋をするなどして対応すれば
よいと思います。ただ、大切なことは発症者のみが疥癬を有しているわけでは
なく、発症していなくても感染していて潜伏的な感染源となっている方もいます。
最も感染力の強い角化型疥癬の患者さんが見落とされているが故に、
流行が断ち切れないのかも知れません。大切なのは、施設内に他に発症者が
いないかどうか(患者さん、職員含めて)ということ、およびその方々に接触した
方々を全て固定して、対処することであると思います。