MRSA・緑膿菌
- MRSAの患者さんに使用する体温計や血圧計は別にした方がいいのでしょうか。
現在、マニュアルでは、体温計や血圧計はその患者さん専用としています。専用に
しないで、アルコール綿などで拭きとって次の患者さんに使用してもいいものか、
スタッフ不足で介護量の多い病棟なので、どこをどのくらい緩和したらいいのか
よくわかりません。必ず守らなければならないポイントを教えてください。
- (a)
・体温計、聴診器、血圧計は患者専用のものを用意し、使用する。
・その他の使用器具も可能な限り患者専用とする。もし共用で使用する場合は、
使用後に消毒用アルコールか次亜塩素酸ナトリウムなどで清拭する。
・MRSAは接触感染でおこるので、患者や器具等に触れるときは、手袋、エプロンを
使用する。手袋の使用前後に消毒用アルコールによる手指消毒を徹底する。
標準予防策と接触予防策を行う。
(b)
MRSAは手指を介して感染していきます。そのため、手指及び手指が頻回に触れる
ものが感染経路となります。
現在のように体温計、血圧計をその患者さん専用にすることが可能であればベストと
思います。というのは手指が高頻度に接触するものだからです。しかし、業務量など
からこのような対応ができないならば、体温計のような表面積の小さいものはアルコール
で拭き取ることも可能です。血圧計のマンシェットはアルコール対応できないので、
マイペットのような洗浄剤を用いた拭き取りになるかと思います。ただ、マンシェットの
拭き取りを使用の度に行うことはマンパワー的には有利ではないので、やはり患者
専用がよいかもしれません。
重要なことは、既に述べたように「手指を介した感染経路」ですので、スタッフのみ
ならず、患者や面会者の手指消毒の徹底が必須です。患者や面会者の手指消毒が
不十分なことが多いので、この部分が適切でないといくら器材を患者専用に用いても
感染対策は不成功となります。「必ず守らなければならないポイント」は、「スタッフ・
患者・面会者の手指消毒」ということになります。