結核
- 結核疑いの患者が発生した場合、個室隔離をしますが、当院に空気予防
策の陰圧に保たれた個室はありません。その中での患者さんに接するた
めのマニュアルを作成するため、下記の質問があります。
- Q.A@
Q:1時間に6〜12回の換気は、窓を開けるのみとなりますが、それでいい
のでしょうか。
A:陰圧室がなければ、病棟の端の個室を利用してヘパフィルター付の
空気清浄機(医療用)を用いて空気を処理します。これが困難であれ
ば、病棟の端の個室を利用して窓を開けるのみとなります。施設で許
される範囲で努力するしかないと思います。
Q.AA
Q:患者さんに使用する血圧計、聴診器、ネブライザーは専用にした方が
いいのでしょうか。
また、使用後の消毒はアルコールによる拭き取りでよいのでしょうか。
A:結核は空気感染しかしませんので、他の患者との共有は可能です。
但し、すべての患者への対応としての手指消毒は必須です。これは
結核対策ではなく、一般的な感染対策です。
Q.AB
Q:清拭時は、他の患者さんと同じタオルを使用していいですか。(専用の
ものを準備する必要はありますか。)
A:結核は、空気感染しかしませんので、他の患者との共有は可能です。
専用のものにする必要はありません。
Q.AC
Q:排泄物(尿・便)は、オムツ使用者はビニール袋に入れて、他患者と
同様の焼却でいいですか。また、ゴミの処理(ティッシュ等)は他患者
と同様でいいですか。
A:吸引瓶は、排液後洗浄のみでいいですか。(消毒液の使用は必要
でしょうか)部屋の清掃は、専用の掃除機を準備したほうがいいで
すか。C吸引瓶は、排液後洗浄のみで十分です。但し、エアロゾル
を作らないように静かに洗浄します。消毒薬の使用は必要ありませ
んし、蛋白が混入している排液に消毒薬を入れても効果は期待でき
ないからです。
Q.AD
Q:排泄物(尿・便)は、オムツ使用者はビニール袋に入れて、他患者と
同様の焼却でいい ですか。また、ゴミの処理(ティッシュ等)は他
患者と同様でいいですか。
A:排泄物やゴミの処理は他の患者と同じで結構です。
Q.AE
Q:リネンは消毒してから業者へ戻した方がいいですか。また、布団は
日光消毒でいいですか。
A:結核は空気感染しかしませんので、リネンは感染源とはなりません
ので 他の患者と同じ処理で結構です。但し、リネンを処理する場
合には埃を立てないようにしてランドリーバックに迅速に入れるように
してください。これは結核対策ではなく、一般的な病原体への対策と
して重要です。
Q.AF
Q:家族への洗濯依頼時、消毒液の使用は必要ですか。
A:全く不要です。一般的に取り扱ってください。
Q.AG
Q:食器は、他患者と同様の取り扱いでいいですか。また、経管栄養の
ガートルは洗浄のみでいいですか。
A:食器は他患者と同様の取り扱いで大丈夫です。経管栄養のガート
ルも同様であり、一般的に取り扱ってください。
Q.AH
Q:N95マスクは、壊れるまで使用可能ですか。それとも各勤務帯での
交換でいいですか。
A:N95マスクは、壊れるまで使用可能です。但し、フィットテストで合格
したN95マスクにスタッフ個人の名前をつけておいて、病室に入室する
たびに シールチェック(フィットチェック)が必要です。
Q.AI
Q:一度使用したN95マスクの置き場所は、どのようにしたらいいか。
A:スタッフの名前をバンドなどに記しておき、紙袋に入れて保存して
おいてください。
Q.AJ
Q:使用済のN95マスクの処分方法は、やはり焼却でしょうか。
A:血液などに汚染されていなければ、一般ゴミで十分です。N95マス
クに付着した結核菌が感染源になることはありません。
Q.AK
Q:ガウンテクニックは、必要ですか。必要な場合は、プラスチックエプ
ロンでも可能ですか。
A:結核対策としては、ガウンテクニックは不要です。但し、患者が咳が
強く、喀痰を多量に出している場合には、ガウンテクニックが必要と
なります。この場合には、マスクやフェイスシールドも必要です。
Q.AL
Q:退室後の清掃は、洗浄後の噴霧が必要ですか。また、放置時間は
2時間でいいですか。
A:退室後の清掃は一般病棟と同じです。特に厳重な対応は必要あり
ません。
Q.AM
Q:結核疑いの患者さんが頻回に出た場合は、その都度胸部レントゲンは
撮った方がいいのでしょうか。
A:集団感染があるようでしたら、レントゲンはやむを得ないと思います。発生
源の追求は大切です。