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感染対策Q&A

器具・器材・リネン類の洗浄・消毒・滅菌

Q
 現在、スタッフ不足と多忙のため、清拭終了後ハイターで洗濯して脱水したものを
そのままたたみ、1日おきに、夕方清拭車に入れて、朝方から110℃の温度で熱して
いる現状です。今までタオルが原因の感染症はおきていませんが、110℃までの加熱で
いいでしょうか。やはりタオルを1度乾かした方がいいでしょうか。教えてください。
 リネン類は通常でも洗浄剤と温水によって処理されていますが、医療や福祉の
施設では家庭と異なり不特定多数の方々が使用されていますし、汚染される
機会が多いため、スタンダードプリコーションの原則に基づいて処理します。
つまり、体液や病原体に汚染されたリネンは、洗浄消毒してよく乾燥させることが
必要です。
 「消毒」とは、人体に有害な微生物の感染性を無くすか、発病レベル以下に菌量を
減らすことであり、リネンに対する消毒は安全性、経済性、消毒の確実性から温水
洗浄消毒が適しています。ほとんどの細菌は、60℃以上で死滅します。
しかし、カビは乾熱殺菌に対してはかなりの抵抗性があり、胞子が乾熱120℃→30分
でも生存することがあります。湿熱の場合、カビの菌糸は60℃、無性胞子65〜70℃
それぞれ5〜10分加熱で容易に死滅します。通常の細菌に対する熱消毒は
65℃→10分、70℃→2分、80℃→1分、90℃→1秒が基準とされ、日本でのリネン類に
対する熱消毒は、80℃→10分が条件とされています。温水洗浄消毒器が無い
場合に消毒薬による浸漬を用いることになりますが、この場合、使用される消毒薬は、
次亜塩素酸ナトリウム0.02〜0.05%に1分間以上浸漬します。
 「殺菌」とは、「菌などの全ての微生物を死滅させる」という意味ですが、洗剤や
漂白剤などの雑貨品ではこの表現は使えないため、「菌などの微生物を対象物から
有効数減少させる」という意味で、「除菌」と表現されています。
 また細菌が増えるためには、栄養分(有機物等)、水分、適度な温度(37℃前後)
の3つの条件が必要となりますので、濡れたものは確実に乾燥させることは重要です。
 清拭タオルの細菌培養結果で、セレウス菌、緑膿菌、Micrococcus属、グラム陰性桿菌
などの環境に存在する菌は検出されやすいのです。
 まず確実に洗浄することにより付着菌を洗い流すこと、そして十分に乾燥させる
ことが、細菌の増殖を抑制することに結びつきます。


各国の熱水消毒の条件
国名  リネン類  器具類 
温度 時間 温度 時間
日本 80℃ 10分 80℃ 10分
アメリカ 71℃ 25分 定義なし 
ドイツ 90℃ 15分 93℃ 10分
イギリス 65℃

 71℃  10分

3分  71℃
80℃
90℃ 3分
1分
12秒

文献:消毒薬テスト(吉田製薬)

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