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感染対策Q&A

器具・器材・リネン類の洗浄・消毒・滅菌

Q
経管栄養後1回1回捨てることが出来ないため洗浄していますが、ミルトンに
浸ける等はしていません。ミルトンに浸けるとしたら使用直前まで浸けておいても
いいのでしょうか。チューブの中を完全に乾燥させるにも少し無理があります。
20名近く経管栄養の患者さんがいる病棟もあるため、対応に困惑しています。
経管栄養に用いているイリガートルは洗浄が容易でどの施設でも管理に
それほど困難は感じていないようです。しかし、滴下部を持ち洗浄・乾燥
しにくいチューブについては、管理が難しく、理想論を言えばディスポが
望ましいのは明白です。しかし、主に経済的な理由で、現実には再使用が
通例となっています。栄養剤本体の無菌性は確保されなければなりません
が、栄養剤の通過するルートであるイリガートル、チューブ、(+場合により
フィーディングチューブ、)栄養カテーテルの3〜4器材のうち、栄養カテーテ
ル本体の清潔性の保持に限界がある以上、それ以外の部分の清潔レベル
だけを格段に高くしても、消化管感染発生率の低下といった臨床効果に大き
な影響が出るとは考えにくいからです。実際、反復使用する栄養バッグがセ
ラチアの増殖によって赤染が起きていても消化器症状を呈した人は一部で
あったとの報告もあり、これには消化管の抵抗力の個人差も関係していると
考えられます。
 感染対策は、コストパフォーマンス(かけた費用に対する効果の高さ)を
考えて、それぞれの対策に優先順位をつけて実行していくものです。栄養
チューブのディスポ化は、効果が判定困難である割には大きなコストがか
かる問題です。
これは、各施設の余裕に応じて取り組むことが望ましい課題に分類される
と考えられ、正解のない問題の一つです。
 ご参考のため、当院の介護病棟のやり方を紹介します。
 イリガートル+チューブは、名前を記して個人使用としています。ミルトンは
使用していません。12%次亜塩素酸ソーダ原液を使用時1000倍希釈して30L
のプラスチック槽に用意します。イリガートル+チューブは使用後速やかに
湯を通し、次いで上記浸漬液で点滴部を含めて充満させた状態で1時間以上
浸漬します。その後、2つ折り状態で水切りし、乾燥機に入れて45分乾燥に
セットします。これを使用時に取り出します。イリガートル+チューブの使用
期限は原則1週間で、それ以前でも肉眼的に汚れを認めた場合には交換し
ます。(費用は、入院患者では病院、入所患者では家族の負担です。)食用
酢の4−10倍希釈液による、滴下部を含めた充填・溜めすすぎも一部の一般
病棟でのみ試みられています。
 フィーディングチューブは、単価も高く長期間の使用が大半ですので、食用
酢の10倍希釈液での洗浄で、肉眼的な汚れの除去を指導しています。いずれ
にせよ在宅で可能な水準を大幅に超える対策は、あまり意味がないと考えます。
 ミルトンは哺乳瓶の消毒に用いており、通常水切りするだけで使用していま
す。哺乳瓶の洗い方には長年の経験の蓄積があり、かなりずぼらな母親が使
用しても体に有害ではないと考えています。イリガートル+チューブ洗浄では、
水きり目的からミルトン(当院では1000倍次亜塩素酸ソーダ液)に使用直前ま
で漬けておくのは好ましくないと考えます。また、母親の中には臭いが気になる
として、ミルトン浸漬後に哺乳瓶を洗浄乾燥している人もおり、成人では乾燥不
十分では塩素臭を気にする方が結構いらっしゃるかもしれません。

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