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感染対策Q&A

その他

Q
セレウス菌の院内感染について
(a)
セレウス菌について、CDCホームページにアクセスして、セレウス菌と
アウトブレークという言葉で検索すると、大変興味深い文献がヒットされ
る。それは去年の12月に出た報告で、一昨年4月・8月頃に米軍の士官
候補生の学校に学生が600人いたが、そこでセレウス菌による集団感染
が90人発生した。患者全員が新入生ばかりだった。そこで具体的に調査
を実施した。どういう状況かというと、新入生は頭髪をバリカンで短く刈り、
そのあとサンスクリーンを共有していて、90人が次々と頭部の皮膚感染
を起こした。セレウスは基本的には腸管感染症で嘔吐か下痢を発症す
る。嘔吐の時はセレウスがつくる毒素により症状の発生が早い、下痢の
方はセレウスが腸管で増えて発生するので、ゆっくり発症する。消化管
感染以外で病気をつくるときは、条件が二つあって患者が免疫不全で
あること、もう一つは感染のバリアが欠如したとき(例えば皮膚の表面に
傷があるとき)である。軍隊の士官候補生は健康な方々で、免疫不全
はない。バリカンで短く刈ることで頭の表皮に傷がついて、バリカンの
中がセレウス菌で汚染されていたのか、サンスクリーンが汚染されて
いたのかわからないが、これが原因のようだ。軍隊での対応は、頭髪を
あまり短くしないで長くすることとした。サンスクリーンの共有をやめ、
個人持ちにしたら消えてしまった。
 アメリカの文献で、NICUの小児のおいてカテーテル感染でのセレウ
スの報告があった。
 セレウスは本当の集団感染ではなく、偽アウトブレイクといって集団感
染の如くみえてしまうことがある。例えば血液培養した時、使用した手袋
のパウダーの中にセレウス菌がいて、採血時汚染された場合、酒精綿
がセレウス菌で汚染されていたため菌が検出された。セレウスが出たと
き本物の集団感染か、偽者か見極める必要がある。
 今回(平成18年9月の集団発生)の場合、共通のものは何か、菌がたく
さんいる場合どこかというようなことをみて判定していく。病院では免疫
不全患者または皮膚荒れている方には皮膚感染もある。
 今回の報道のセレウス感染は、髄膜炎、菌血症、眼の失明である。

(b)
バチルスの敗血症が出るということは数年前から話がでていた。どこから
微生物はきているのかというのは話題になっていた。
 リネンやおしぼり等からバチルスが出たのは、今回が初めてではない。
学会等で報告されている。
 今回のことに関してまだはっきりした報告はないが、関係者の話等から
考えているのは、環境のリネンおしぼり等汚染があっただろうということで
間違いないといえる。ただ、それだけで血流感染が起きるというのも不自
然で、何かが媒介になっていなければいけない。「思いつくのはカテーテ
ル」という話はでてきている。
今回もカテーテルを調査するときいている。結果的に、どこから入ってきた
かわかるのは、最終的な科学的判断に基づいた情報をまたなければなら
ない。リネンが汚いこと自体が問題なのではなく、その環境から体の中に
微生物を持ち込まないようにすることが大事である。

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