標準予防策・接触予防策
- 1ケア1手洗いが奨励され、ケアの前後に流水と石鹸で洗いアルコールジェルで消毒していますが、手掌の常在菌が消失することはないでしょうか。
- (a)皮膚表面の細菌には一過性細菌叢と常在菌叢があります。一過性細菌叢の菌は一時的に手に付着する大腸菌、緑膿菌などで院内感染の起因菌になるものです。常在菌叢は皮膚の深層に存在する細菌で完璧には死滅しにくい菌です。院内感染は一過性細菌叢をターゲットにして手指消毒し、常在菌叢は残しています。常在菌叢は死滅し難く失っても直ぐに元に戻るので、感染対策上は心配ないと思います。
(b)手指にはエクリン汗腺が多いので、手指消毒を行ってもすぐに汗腺の深部から常在細菌が増殖してきます。従って、手指の常在細菌を消失させることはできません。また、消失させる意味もないと思います。