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感染対策Q&A

下痢性疾患・感染性腸炎

Q
クロストリジウムディフィシルが検出された場合、必ず隔離が必要ですか。培養で(+)でも毒素が(−)なら隔離はしなくても良いのでしょうか。隔離が必要であればその基準を教えてください。
C.difficile(クロストリジウムディフィシル)は嫌気性のグラム陽性桿菌で芽胞を形成し、長期間にわたって環境(土壌や乾燥表面など)に存在します。C.difficileによる腸炎(偽膜性腸炎)は、大半が抗生物質の投与により腸内細菌叢が変化することで発症します(内因性の感染)。環境が直接の感染源になることはないのですが、医療施設では患者の排泄物(便)及び便で汚染された衣類・器具・洗面所から医療者の手指を介して(経口感染し)院内感染をおこすため(外因性の感染)、感染の拡大を防ぐためには標準予防策に加えて接触予防策を徹底することが大事です。患者のケアの際(体位変換、オムツ交換)には、汚染の規模によっては手袋・マスクだけではなく撥水性の使い捨てのエプロンの着用も必要です。手袋やエプロンの使用に際しては、次の処置に移る前にこれらで周囲を汚染しないように廃棄することがさらに重要です。 
 認知症などのため、便で環境が汚染される可能性のある患者については隔離したほうが管理しやすいと思います。便失禁などで床・ドアノブ・便器などに汚染の可能性が高ければ患者とその家族に対する手洗いなどの衛生教育、そして介助者・補助員に対する排泄物の処理後の手洗い、病室の清掃に関する教育も必要です。仮に個室に隔離する場合でも、下痢便の症状が改善した時 (固形便)には個室管理でなくても十分です。必ずしも便の検査をして、菌の分離あるいは毒素の陰性化を待つ必要はありません。なお、便の検査にはトキシンの検出法と培養があります。トキシンAの検査が通常行われており特異性には問題ありませんが、感度が少し低く(10〜20%は陰性)、
またトキシンBのみ産生する菌には有効ではありません。培養もC.difficileが嫌気性菌ですので、正しく行わないと検出率が低下します。症状のない人でも3%程度検出されます。すなわち、偽膜性腸炎であってもトキシン・培養のいずれもが陰性である可能性もあり、また症状がなくてもC.difficileを保菌して人もいるため、便が感染源という認識で対処することがもっとも重要なことです。

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