標準予防策・接触予防策
- 「接触感染」と「飛沫感染」は、菌の動態から考えると連続性があると思い
ますが、予防策はどのように考えると良いのでしょうか。
ex.インフルエンザでの手洗い(接触)とマスク(飛沫)
気切「MRSA」での(飛沫)と(接触)
- (a) MRSAが飛沫感染する可能性は低いと考えられますが、飛沫により汚染
された手指、体表面や環境表面に対しては接触予防策が必要です。
インフルエンザにおいては、マスクの着用以外にウイルスによる汚染が
あれば手洗いは必要です。飛沫感染が主な感染経路である場合でも感染
性が強く、汚染した手を介した粘膜からの感染の可能性が否定できない場
合には、手洗いなどの接触予防策の併用は必要と考えます。鳥インフルエ
ンザやSARS等も主な感染経路は飛沫感染ですか、接触予防策の併用が
重要と考えられています。
(b) 確かに「接触感染」と「飛沫感染」は、菌の動態から考えると連続性があり
ます。CDCも「飛沫感染」は特殊な「接触感染」であると言っています。従って、
飛沫感染する病原体の多くは接触感染する危険性があります。例えば、ライ
ノウイルスは飛沫で人々の間に感染できるのですが、環境表面に数時間生
息できるので、汚染した環境表面に触れた後に、自身の目や鼻粘膜に触れる
と感染しています。このような感染経路の遮断には、手指消毒が必要となり
ます。従って、「接触感染」も「飛沫感染」も連続していますが、「標準予防策」
が完全実施されていて、手指衛生が行われているという前提に行われなけれ
ばなりません。「飛沫感染」ではマスクが必要となり、一般的にはマスクと手
指消毒が実施されます。
しかし、患者の大量の飛沫に汚染される危険性があれば、標準予防策に
記載されているようにガウンが必要になります。
(c) その通りです。インフルエンザは、手についた気道粘膜から感染すると記
載されています。MRSA呼吸器感染症では、患者周囲2mに大量のMRSAを
認めました。飛沫感染対策接触感染対策の両方が要求されます。