多剤耐性菌対策
- 院内感染(医療関連感染)を疑うときはどんな時ですか?
- 同じ医療施設から、同じ多剤耐性菌による感染症患者さんが2例以上発生した場合は、院内感染を疑います。
患者さんの発生は、必ずしも同時期とは限りません。汚染器具等を介した場合等では、患者さんの発生時期がずれることがあるので注意が必要です。
院内感染と考えられた場合には、感染経路等を速やかに発見すると同時に患者さんの隔離や標準予防策に加えて接触感染対策などを行い、アシネトバクターの場合には、床・ドアノブ・床頭台・カーテンなどを含め院内環境の消毒を実施することが必要です。基本的に、アルコール消毒などの通常の消毒剤が本菌の殺菌に有効です。
複数の検体から得られた多剤耐性菌を「パルスフィールド電気泳動法」で比較すると、同一の菌であるか否かがわかります(アシネトバクター、緑膿菌、MRSAなどは商業検査会社でも受託可能です)。この方法で菌が一致すれば同一の菌による感染症と診断できます。