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感染対策Q&A

インフルエンザ

Q
インフルエンザに関する質問です。院内でインフルエンザが発症した場合、
その患者さんは隔離しますが、同室者に関する質問です。
 @当院では、同室者を潜伏期が過ぎる5日まで、他の部屋へ移さずに経過観察と
  していますが、如何でしょうか?
 A病院で費用を持ち、タミフルの予防投与を添付書に従って7日間投与して
  いますが如何でしょうか。これは本来、感染者と接触の可能性のある期間
  のみの投与でよいとは思っていますが、添付書では予防投与は7〜10日間と
  ありますので迷っています。
@同室者を他室に移さず経過を観察することは、感染の有無の確認と病院感染を
 広げない手立てとしては適切な対応だと思われます。ただ、インフルエンザは
 感染後早期に発症することが特徴で、その潜伏期は通常1〜3日(平均2日)です。
 そのことを考慮すれば、部屋移動が必要な場合には5日間待たなくても良いと
 思われます。
Aまず基本的な点を確認させていただきますが、予防内服は接触後なるべく早期に
 開始することが大切です。患者さんとの接触後48時間を過ぎて服用した場合の
 有効性は示されていません。
  接触者に対するタミフルの”通常の”予防内服は、成人および13歳以上の小児
 には「1日1回1カプセル(75mg)を7〜10日間」とされています。この根拠としては、
 家族内あるいは同一環境に居住する方を対象とした欧米での2つの臨床試験(7日
 間投与、10日間投与試験)があり、プラセボとの効果比較で有効の結果が示され
 たことによります。しかし、以下の理由で、本邦において「5日間投与」が有効だっ
 たとの報告が散見されます。
  (1)病院内発症では患者さんが隔離される事から、家庭内発症とは異なり
    継続的に接触することはないと思われること。
  (2)成人患者からウイルスの排出される期間は5日間(特に発症初期の
    3日間が排出量の多い最も危険な時期とされる)であり、やむを得ない
    場合でも5日を過ぎれば危険は低いと考えられること。
  このような病院や施設における状況を考慮すれば、「5日間投与」にも根拠が
 あり、対象が少数例での報告ですが、有効とするデータが複数示されています。
 また、調べた中には「予防投薬を3日間」とするマニュアルもありました。
 以上を参考にしていただき、施設の状況に合わせたマニュアル作りをして
 いただければと思います。

※新型インフルエンザに対する予防内服の勧告は全く異なりますので
  ご確認ください。
※タミフルについては、関係省庁の通知にもご注意ください。

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