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感染対策Q&A

針刺し・血液曝露

Q
@ 当院では職員が患者さんに噛みつかれる事故があり、「針刺し」の場合と同様の
対策(患者の感染症検査と職員の肝機能、感染症検査)を実施しています。損傷が
歯形だけで出血しない場合でも対策は必要でしょうか。

A 患者さんに噛みつかれた職員がHBV陽性、HCV陽性の場合、患者さんのフォロー
はどのようにすればよいでしょうか。出血の有無で対応は変わりますか。フォローアップ
検査に健康保険は適用されますか。患者のフォローアップ検査をすることで職員の感染
症情報が漏れる心配があります。いかがでしょうか。

B 曝露源患者が感染症陽性時の職員の対応策は教えていただきましたが、患者さん
に感染症がない場合の職員のフォロー方法が分りません。当院では念のため肝機能
と感染症検査を3ヶ月、6ヶ月後に行っています。必要ないなら止めたいです。必要なら
検査項目とフォローアップ方法を教えてください。 講演(平成22年度感染対策支援セミ
ナー)では職員と患者さんの血液を1年間保管とのことでした。なぜ1年間保管するの
ですか。HIVの簡易検査のみ当院で行い、他の検査は外注しているので、保管するには
1本余分に採血が必要となります。
1) 出血がない場合には、感染性物質は皮膚から侵入はないはずである、と考えて
   良いのではないでしょうか。患者さんの唾液が食事介助の時に手についたときと
   同じ扱いです。

2) 同様に、噛みつかれた後に出血が認められない時には、感染性物質の曝露はな
   いはずですから進むべき次の段階はありません。何も起こらないと考えていいと
   考えます。問題は、B型、C型肝炎の血液・体液を口に入れてしまった時にはどう
   するかということでしょうか。粘膜に入った血液の扱いは「目に血液が入った時」と
   同じで、口腔粘膜に曝露したという扱いになるでしょうか。B型、C型肝炎の職員
   (医師、看護師、ほか)を、当院では職業上で特別扱いにはしておりません。その
   職員に噛みついた患者さんの、噛みつき後の扱いをどうするかは2通りの扱いが
   あるかと思います。

  (ア)自分自身が何者であるか明確に判断できる時には、犯罪(傷害罪)になります
     ので公的機関への届け出などそれなりの対応が必要になります。その際に職
     員の特定などは公表する必要はなく、秘匿できると考えます。
  (イ)認知症や精神疾患などのため自身が何者であるか判断できない方が、キャリ
     アのどなた(職員でも患者さんでも周囲のどなたかでも)かに噛みついたりして
     粘膜に感染性物質が曝露した時には、事故として扱います。
  (ウ)いずれの事例であっても、感染性物質の種類によって粛々とその後の対策を
     されるだけで良いと考えます。相手が誰であるかを公表する必要はなく、その
     事例の経過だけを当事者に伝えるだけで良いと考えます。

3) その他の感染性物質の存在をどこまで考えるかという問題かと思います。まだ抗
   体が陽性になっていない感染症のキャリアの状態ということも心配しています。
   たとえば感染後3カ月以内の、HIVキャリア、肝炎ウイルスキャリア、あるいはこれ
   以外のウイルス感染の心配をしています。また全く稀ですがプリオンなどの可能
   性を考えて、何らかの感染症が1年以内に発症したときに後追いで1年前の血液
   を調べることができるようにしておきたい、という立場で対応しています。どこまで
   検査するかという期間と検査の頻度が問題になりますが、3カ月、6カ月までフォ
   ローするくらいが必要で十分という立場でしょうか。

4) 上記にも述べましたが、感染性物質に曝露したかもしれない当日の曝露者と被曝
   露者の血液をどこまで保存しておくのかという問題は、施設の立場と施設のキャ
   パシティにもよるでしょう。
   基本は、曝露当日にはっきりしていなかった感染症が曝露者と被曝露者のどちら
   かにある可能性を否定できないからです。例えばですが、上記3でも述べましたが、
   どちらかがHIVウイルスに感染してからまだ3カ月で、曝露した当日の血液データ
   は何事もないということがあり得るということでしょうか。現実的には、あくまでも施
   設ごとの対応が優先することになるかと思います。

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